東京の夜

東京の夜をさまよう男女を観察するブログ

退屈な合コン

 

東京の夜。

恵比寿、六本木、渋谷、新宿・・・

 

毎晩、個室の居酒屋では、合コンが行われている。

 

この合コンでは、猟を見ること、体験することが可能だ。

しかし、この日の合コンは違った。

 

月曜日の20時。

この日は、恵比寿で、弁護士との合コンであった。

30歳の弁護士たちは、どこか信用できない。

しかし、彼らの合コンは、とてもスマートだ。

 

間接照明に拘った、おしゃれな店内。

広い個室の部屋へと案内された。

3人の弁護士たちは、先に店で待っていた。

さわやかな彼らは、関西弁であった。

 

同じ弁護士事務所に所属している3人は、同期で、仲よさそうな印象を受ける。

3人は、独身らしかったが、

余裕を感じられる。

おそらく、お相手には困っていないだろう。

たわいのない会話が続く。

 

コールだらけの学生の飲み会とは、違った雰囲気だ。

 

友達の一人が、次の日、誕生日であることを伝えると、

食事に後に、プレートのデザートを用意するというサプライズがあった。

 

仕事ができる。なんて、スマートな人たちなのだろう。

 

女性たちは、終電で帰宅。

みんな、ほろ酔いで、良い気分であった。

 

しかし、私はなぜだが、やるせない気持ちであった。

誰も誰かを狙うことがない。ただの飲み会であった。

複雑な駆け引きや、ゲームもなく、乱れることもない。

 

東京の夜での、猟にはまってしまったものは、

月曜の夜の合コンは、退屈なのかもしれない。

 

東京の夜で、私は、毎晩、

武勇伝や思い出を作る。

退屈な大学生活で、生きてることを

実感するための手段なのかもしれない。

 

ゲームに興じる東京人。

ここでのプレイヤーたちは、

孤独を埋めるため、生きていることを実感するため、

このゲームに夢中になる。