東京の夜

東京の夜をさまよう男女を観察するブログ

東京の夜で「本物」を見つける方法 女たちよ、自分らしくあれ

 

東京の夜。

ここに生き残ってはいけない。

いつかは、この世界を旅立たなければならない。

しかし、誰もが、そう思っていても、

この世界を抜け出すことはできない。

人の弱さが、この東京の夜を作り出している。

そして、その弱さが偽りの世界を作り出しているのだ。

 

 

結婚を考えている女であれば、

この夜で、チャンスをつかもうと企んではいけない。

 

チャンスを掴もうと、この東京の夜に繰り出す、女たちは、

より深みにはまっていく。

 

この東京の夜を、たった一夜の成功体験をもとに、

この女たちは、その戦略で、狩りにでる。

しかし、その戦略は、この東京の一夜でしか通用しないということに、

いつ気づくのであろうか。

 

この夜に身につけたお作法、コード、戦略は、

彼女たちにとって、無意味だ。

これらは、彼女たちを家庭へ放りこむ機会を

遠ざける。

 

そして、

「自分は間違っていない。」

「私は、あの子たちとは違う。」

彼女たちの自分を疑わない姿勢と、

他とのランキング化。

自らの価値を高く見積もる。

 

全て、無意味だ。

無意味というよりも、彼女たちの品位を下げている。

そして、彼女たちを永遠と東京の夜へと封じこめているのだ。

 

では、どうやってここを抜け出せるのか。

この解決方法には、いくつかある。

 

まず一つめには、

自らを客観的に観察し、自らを「疑う」こと。

彼女たちの「自信」は魅力の一つかもしれない。

しかし、一つの成功体験で身につけた、その「自信」は、

ある人にとっては、厚かましいものだ。

自分を疑い、客観的に見ることで、

多面的な視野を獲得してほしい。

 

二つめには、

「探す」ことをやめることだ。

このことによって、この東京の夜に、

身につけたお作法とコードを

拭い去ることができるだろう。

 

三つめには、

自分をよく見せることをやめること。

肩の力を抜いたとき、

本当の自分の魅力が発揮されることを

忘れないでほしい。

見栄を張らずに、他者からの承認を得ることから

解放された女は、誰よりも魅力的に映るだろう。

 

東京という偽りの世界で、

自分らしく本物の自分であること。

 

そして、本物を見つけることができるのだ。

 

 

 

 

精神を鍛える夜

 

 

東京の夜。

 

望まない相手との肉体関係を持ってしまったなら、

それは、負けを意味する。

 

この日は、合コンであった。

場所は、恵比寿

商社に勤務する男性3人

 

その男の名前は、S

まだ、20代であるという彼。

どう見ても、40代妻子持ちの男にしか見えない。

 

同じ部署に所属する3人

他の男性は、自分たちの企業や、業務を自慢する気はない。

しかし、Sだけは違った。

 

「去年まで、駐在してて、海外おったんよ。」

「アパレル扱ってる。言ってくれれば、洋服あげるよ。」

 

女性たちは苦笑い。

その老け顔は、とんだモンスターを作り出してしまったようだ。

 

〈彼だけは、ダメだ〉

おそらく、ここにいた女性は、同じ気持ちであっただろう。

 

しかし、お酒は進む。時間も進む。

 

みんな酔っていた。

私も酔っていた。

記憶がなくなった。

 

朝、目が覚めると、

そのSが、目の前で裸で寝ていた。

やってしまった。

最悪だ。

この男とやってしまった。

私が、出会った史上一番の、だらしない裸であった。

20代にして、なんだ、このお腹は。

やってしまった。

このどう見ても、妻子持ちにしか見えない老け顔の男と

一夜を共にしてしまったのである。

 

一夜の事情で、後悔したことは今まで、一度もなかった。

これは、史上最大の後悔であった。

 

どうやって、この後悔を、埋めよう。

彼の財産を全て奪ったとしても、この後悔は残るだろう。

最悪だ。なんという悪夢だ。

いくら、学歴があっても、

大手企業に勤めていたとしても、

関係ない。

この男をまったく好きになれない。

彼とやったところで、なんの利益もない。

 

美味しいご飯もない。

美味しいお酒もない。

気持ちよくもない。

 

あるのは、だらしないお腹だけだった。

 

やってしまった。

 

こんな後悔に対処すべき方法はない。

ただ、この経験が自分の精神を鍛錬していくと考えるしかない。

 

東京の夜で、

鋼の精神を身につけよう。

 

この夜があるから、自分は強くなると信じる。

世界に飛び込んで行こう。

失敗をたくさんしよう。

たくさん傷つこう。

たくさん後悔しよう。

 

たくさんゲームをしよう。

たくさん自分を試していこう。

 

成功体験ばかりが、

自分を磨いていくのではない。

失敗を重ねるからこそ、

自分が磨かれるのだ。

 

そうやって言い聞かせて生きていく。

 

それは、夜だけでも昼だけでもない。

私たちは、一生をかけて、そうやって自分に言い聞かせる。

 

 

 

 

 

 

 

つまらない人間を生産する東京

 

東京の夜。

 

何をしたい?

昼には、会社に閉じこもっていたサラリーマン、

ただひたすら頭を下げていたサラリーマン、

 

そんなサラリーマンたちは、

東京の夜へと繰り出す。

ロボットのように生きていたサラリーマンは、

ここでやっと人間になれるのだ。

 

六本木のクラブに行けば、

そんなサラリーマンたちを観察することができる。

 

今夜は、どんなサラリーマンに出会えるのだろう。

 

彼は、銀行勤めのサラリーマン。

大学時代にアメフトに打ち込んでいた彼は、

ガタイがいい。

「外で、一緒に飲まない?」

クラブにいる男は、外に連れ出したがる。

 

彼の友達と、私の友達の4人で、

そのクラブを出た。

 

4人で落ち着いたバーに入り、

改めて乾杯をする。

 

彼らは、欲に溢れていた。

 

サラリーマンだ。

自分の学歴だの、メガバンクに勤務しているだの、家柄だの、

この手の話しかできないのだろうか。

 

付き合うわけでも、結婚するわけでもない。

どうでもいい話だ。

しかし、モテたい彼ら、やりたい彼らは、

この自慢話しが、手っ取り早いのだろう。

 

私と、友達は、退屈し、そのバーから出た。

 

肩書きを得ること、

それは、素晴らしいモチベーションになるかもしれない。

 

しかし、その肩書きを得るだけで、満足してはいないだろうか。

だから、ただ働かされているサラリーマンになるのだ。

 

東京で遊ぶ女子大生の寝言かもしれない。

ただ、東京で遊ぶのであれば、つまらない人になってはいけない。

無駄な時間を過ごすだけなのだ。

 

自分の仕事に自信のあるものたちは、

こんな自慢話しをせずとも、

魅力を感じさせるものだ。

 

東京はつまらない人間を生産する。

大きなマス社会は、イメージだけの世界を作り上げてしまったようだ。

だから、ブランド名が活躍する。

そのブランド名に翻弄される人間がいる。

だから、自慢するものが現れる。

 

 

 

 

 

 

東京の夜 ナンバーワンではくオンリーワンを

 

 

東京の夜。

 

なにを望む?

恋人、一夜の相手、贅沢をさせてくれる相手。

 

新しいものを見つけるには、十分すぎる東京の夜。

まだまだ、満たされない好奇心。

未知なるものを求める旅に、アイスブレイク。

それは、恋人ができてしまったときだ。

 

あるとき、恋人ができてしまった。

彼の名は、H

不動産勤務の彼。

学歴も、収入もよく、見た目も悪くない。

何回かのデート、体の関係を持ったところで、

いつのまにか、彼女と紹介されていて、

気がつけば、彼女になっていたのだ。

 

なんだか、荷が重い。

彼女という言葉に、違和感。

 

彼の、彼女という肩書きを持つこと、

彼が、私の彼氏という肩書きを持つこと、

気が重かった。

 

「ちゃんと人と向き合いなさい。」

母に言われたことのある言葉だった。

 

彼氏、彼女になるということもそういうことだろう。

 

 

 

もっと、流されるままにいればいいのだろう。

しかし、20代の夜は、限られている。

イムリミットがある。

このときに経験したことが、

私の武器となって、人生の指針となるだろう。

そろそろ、「ちゃんと人と向き合う」経験が私には必要なのだろうか。

 

私は、どうやって生きていくのか。

ここで、私のライフプランを問いただすときがきたようだ。

 

結婚を望むのか、生涯独身を貫くのか。

 

ちゃんと人と向き合わなければ、

結婚の機会を招くことは困難になるだろう。

 

しかし、私の自由は誰にも奪われたくない。

私は好奇心を満たすことで生きがいを感じる。

だから、東京の夜を楽しむ。

 

しかし、

相手が巡ってくるチャンスを掴めるのは、

今だけかもしれない。

そして、彼は需要のある人なのは間違いない。

今後、彼のような人と、

これから、また、出会えるのか。

 

考えたところで、答えはでないのである。

感情の赴くままに向かうのが、ここでの成功法なのはわかっている。

もっと、自分の心に従えばいい。

 

東京の女たちは、

考えすぎなのである。

考えないほど、簡単に幸せが訪れる。

 

 

東京で、ひとつの市場に、需要が溢れているのは、

オンリーワンではなく、ナンバーワンを求めているからだ。

 

自分にとって、オンリーワンが訪れたなら、

そのときが、チャンスなのだ。

 

ナンバーワンである彼は、

私にとって、

オンリーワンでないことは、自分の心が一番わかっていた。

 

 

 

 

 

東京の夜は、

ナンバーワンに出会わせるかもしれない。

人気者のお相手は、魅力的に映る。

しかし、本質を見るべきであろう。

お金の価値がなくなったとき、

お相手のブランド力が失われとき、

最後に残る、お相手の魅力はなんなのだろうか。

 

それは頭で考えるのではなく、

心が知っていることなのだ。

 

 

 

 

 

異文化を引き合わせる東京

 

東京の夜。

 

この夜を楽しむには、

雑食である必要があるかもしれない。

 

好き嫌いせずに、

なんでも受け入れる勇気。

 

東京で過ごす男女には、

必要なのかもしれない。

 

 

その男は、

全身にタトゥー、パーマがかった長髪。

細身の体型。個性的な服装。

30代。

 

クラブのVIPルームで知り合った。

ヨーロッパで仕事をしていて、

最近、東京に戻ってきたのだという。

 

彼は、ファッション業界で仕事をしているらしく、

その業界では、ある程度、名の知れているらしい。

 

後日、ご飯に行くことになった。

 

ヴィンテージのベンツで、私の大学まで迎えに来た。

彼は、自分の作品を見せ、

ヨーロッパでの話を永遠としている。

 

そして、彼の住んでいる世田谷の

家近くで、もつ鍋を食べた。

 

彼の見た目の個性のわりに、

余裕のなさが目立つ。

 

はやく家に帰って、

ことを始めたいようだ。

 

私は、この彼とことを行う自分を想像したが、

困難であった。

 

これは、私ではない。

世田谷の古いマンションをリフォームした、

ヴィンテージの車に乗った男。

 

 

自分とは、違う。

 

私は、もつ鍋をご馳走になって、

そのままタクシーへと乗り込んだ。

 

東京はときにして、

違う男女を引き合わせる。

 

異文化を持つ男女。

この異文化が、磁石のように

ぴったりと合わさることは

難しい。

 

しかし、

異文化を知るからこそ、

自分のいる世界を

知ることができる。

 

好き嫌いをせずに、

なんでも取り入れてみる。

そして、自分の相手を見つける

直感が鍛えられていくのかもしれない。

 

東京人は、異文化を探しに

今夜も、街へと繰り出すのだ。

 

 

 

 

 

今夜の失くしもの

 

東京の夜。

 

 

いつも完璧を演じている人も、

この東京の夜に

飲まれれば、本性を現す。

 

本性を現した人は、

朝になると自分の失ったものに気づく。

 

今夜はなにを失うのだろう。

財布、携帯、バッグ。

 

理性、記憶、友人、恋人。

 

朝になれば気がつくであろう。

 

 

この日は、女どうしの飲み会であった。

女5人。六本木。

気の知れた友人たちとの集いは、

一杯目のお酒から、調子がいい。

 

そのうちの一人、

友人のSは、

いつも完璧だ。

スタイルも顔も完璧。

今まで優等生として生きてきたのだろう。

どこにいても、誰からも好かれるタイプであった。

男を魅きつける方法も知っているのだろう。

いつでも自信に溢れている。

 

23時過ぎ。六本木。

友人の一人が、知り合いの男性たちとの

飲み会に誘われたみたいで、

みんなで移動することになった。

 

私たち5人は、恵比寿へと移動する。

 

雑居ビルに入ったバーで、男たちが集っていた。

 

酔った女5人は、上機嫌。

 

 

友人Sは、好みの男性を見つけたみたいだ。

その男性の隣に、肩を合わせ座っている。

彼女は、いつも通りの

男性を落とす術を

存分に発揮しているようだ。

普段は、吸わないタバコを

男性に合わせて吸っているようだった。

しかし、その男性は、Sに興味を見せる様子はなく、

積極的な女の行動を

冷ややかに見ているようだった。

 

カラオケで歌いながら、

ただひたすら飲む男女。

 

だんだんと、友人Sは、

本性を現してきた。

 

その男に望みがないことを察したのだろう。

 

女たちに

「帰ろう。」と言った。

強引に、女たちを外へと出させた。

 

 

友人Sは、機嫌が悪かった。

いつもの様子とは、別人だ。

 

「帰る。つまらない。くそみたいな男しかいない。」

 

彼女はそう言って、彼女はその場を立ち去って行った。

彼女の本性だ。

 

この日、彼女が失ったものは、

理性だ。

もしかしたら、友人かもしれない。

 

 

東京の夜。

なにが彼女を彼女にしたのだろう。

 

ときに東京は、

私たちを広い心で受け入れる。

しかし、

ときに、私たちを激しく拒絶する。

 

今夜の東京は、

私たちを受け入れるのだろうか、拒むのだろうか。

 

今夜に賭ける。

東京の魅力だ。

 

しかし、そんな気まぐれな東京の夜は、

人々からなにかを奪っていくのだ。

 

今夜、なくしたものはなんなのだろう。

無責任な東京で、

なにかを失う。

 

ただ、自分を見失ってはいけない。

 

 

 

 

 

 

タワーマンションの誘惑

 

 

東京の夜。

 

港区を輝かせているのは、

あの高いマンションたちだ。

 

 

私は、クラブのVIPルームでシャンパンを飲んでいた。

 

一人の男が話しをかけてきた。

「いつもこのあたりで飲んでるの?」

 

背が低く、いかにもプライドの高そうな顔つきだ。

カジュアルにTシャツにデニムを合わせている。

年は、40過ぎくらいであった。

 

いまだに、クラブで遊んでいるタイプの彼は、

どう考えても独身だ。

 

後日、二人でご飯に行くことになった。

 

場所は、麻布十番

個室のレストランであった。

 

東大卒の、元商社マン。

現在は、ある会社の役員を務めている。

 

自分の華やかな経歴を

誇らしげに語る。

これが、彼の女性を口説く術なのであろう。

 

そんな経歴語りよりも、

 

「贅沢させてあげるよ。」

 

その一言で十分であった。

 

 

六本木、麻布十番、広尾

その男のテリトリーなのだろう。

 

会う回数を重ね、

ある時、

彼の家へと行くことになった。

 

港区にあるタワーマンションだ。

一人で住むには、広すぎる家だった。

 

東京の夜を見下ろし、

この40代の独身男性の部屋を見渡す。

 

小柄な彼には、この部屋は広すぎる。

しかし、彼がこのマンションの、この階にたどり着くくらい、

彼は今まで努力と経験を積んできたのだろう。

 

彼の人生は、彼の口よりも、このマンションが語っていた。

 

ただ、女子大生の未熟な私には、

そのマンションに魅了されたが、

彼に魅力を感じることはなかった。

 

それから、彼のマンションを訪れたことは二度とない。

 

 

港区を輝かせている、

タワーマンション

 

その住人の人生を語るその部屋たち。

 

そのタワーマンションの魅力は、

その人生にあるのか、

その高さにあるのか、

その住む人にあるのか、

 

口説きたい相手は、

どれに魅力を感じるのだろう。

 

 

東京の夜。

その高いところから、東京の夜を見下ろす人々は、

東京の夜空を見上げることを

忘れてしまっているのかもしれない。